Claude Code を半年以上使っていると、.claude/ 配下がゴミ屋敷になります。使わなくなった Skills、切ったはずの MCP サーバー、肥大化した CLAUDE.md、遅い Hooks。私自身、先週セッションを開いたときに /context の表示を見て「これ半分は使ってないやつだ」と気づいたんです。
そこに 2026年7月9日、Anthropic の Boris Cherny が X で発表した新コマンドが /checkup です。ひとことで言うと、Claude Code 環境の健康診断。この記事では、実際に手元のプロジェクトで走らせてみた挙動と、/doctor や /fewer-permission-prompts との使い分けまで、実務ベースでまとめます。
結論:/checkup は「設定の断捨離」を自動でやる新コマンド
いきなり結論から書きます。/checkup は、あなたの Claude Code 環境を対話的に監査して、不要なものを削り、遅いものを止め、更新できるものを更新する統合メンテナンスコマンドです。
Explainx の 2026年7月9日更新情報によると、/checkup は使っていない Skills・MCP・Plugins を掃除してコンテキストを節約し、ローカルの CLAUDE.md と Git 管理下のバージョンの重複を整理し、肥大化したルート CLAUDE.md をネストしたファイル+ Skills に分割し、遅い Hooks を無効化し、Claude Code 本体を最新に更新し、Auto Mode をデフォルトで有効化し、頻繁に拒否されている読み取り専用コマンドを事前承認するところまで面倒を見ます。全ての変更は適用前にあなたに確認を取る設計です。
つまり、これまで手動で「/context 見て → 使ってない Skills 消して → CLAUDE.md 整理して → hooks の実行時間測って…」とやっていた作業が、対話1本にまとまった感じ。地味だけど、これは想像以上に効きます。
なぜ今 /checkup が必要になったのか
私が Claude Code を本格的に使い始めたのは2025年秋ですが、この10ヶ月で .claude/ の中身は明らかに散らかりました。理由は3つあります。
ひとつめは、Skills と Custom Commands の統合です。2026年4月11日リリースの v2.1.101 でカスタムスラッシュコマンドが Skills にマージされました。既存の .claude/commands/*.md は動き続けますが、新規は .claude/skills/<name>/SKILL.md が推奨。両方が混在している人、多いはずです。
ふたつめは Plugins の普及。プラグインマーケットプレイスが立ち上がって以降、試しに入れた plugin がそのまま残っているケースが増えました。
みっつめが 5分TTL のプロンプトキャッシュ。CLAUDE.md やシステムプロンプトの前方が肥大化すると、キャッシュヒット率が落ちてトークン単価が跳ね上がります。地味に効くやつですね。
/checkup はこの3つを一気に洗うために設計されています。
/checkup の実行手順:3ステップで終わる
実際に走らせる手順はシンプルです。私が最初にやったときは、確認プロンプトに答える時間を含めて2〜3分でした。
1. まず /doctor で健康チェック
/checkup の前に、環境そのものが壊れていないかは /doctor で見ます。両者は役割が違います。/doctor は「動く状態か」を診断するツール。/checkup は「動くけど非効率になってないか」をメンテナンスするツール。順番はこの順で。
2. /checkup を叩く
セッション内で / を押すと、あなたの Claude Code バージョンで使えるコマンド一覧が出ます。/checkup が候補に出れば実行できます。出ない場合は先に本体を更新してください(執筆時点で最新は v2.1.191 系)。
実行すると Claude Code があなたの .claude/ 配下をスキャンし、以下を順番に提案してきます。
- 直近 N セッションで一度も使われていない Skills
- 起動しているのにツール呼び出し実績のない MCP サーバー
- CLAUDE.md のうち、Git 管理下と重複している行
- 平均実行時間が閾値を超えている Hooks
- 頻繁に deny → 再確認 → allow のループになっている読み取り専用コマンド
それぞれに対して「これ消していい?」「これ Auto Mode に追加していい?」と聞いてきます。yes/no で答えるだけ。
3. 差分をコミットする
ここが一番大事なんですが、/checkup の変更は必ず Git にコミットしてから走らせてください。理由は後述しますが、.claude/settings.json や CLAUDE.md が予想外に書き換わることがあります。差分を目視で確認してから push する運用が安全。
/checkup が実際に何を変えるか:4つの具体例
私の環境で実際に提案された変更を、抽象化して4つ紹介します。
CLAUDE.md の分割が最も体感が大きかった項目です。ルートの CLAUDE.md が 350行くらいに膨らんでいたのを、テスト規約セクションを .claude/skills/test-conventions/SKILL.md に切り出す提案がきました。結果、初期プロンプトの静的部分が減り、キャッシュのヒットが安定するようになった気がします(体感、厳密な計測ではない)。
未使用 Skills の除去では、去年試して放置していた .claude/skills/screenshot-analyzer などが引っかかりました。SKILL.md の description はロード時に読み込まれるので、使っていなくてもトークンは食っています。
Hooks の停止は少しヒヤっとしました。PostToolUse で走らせていた prettier hook が「実行時間が長すぎる」と警告されたんです。オプションで async: true にする提案が出て、そのまま採用。
deny コマンドの事前承認では、git status や ls みたいな読み取り専用コマンドが何度も許可プロンプトを出していたのが、allowlist に自動追加されました。これは Auto Mode を有効にする流れとセット。
/checkup と /fewer-permission-prompts の違い
ここ、名前が似ているので混乱します。整理します。
/fewer-permission-prompts は名前どおり、権限確認プロンプトの回数を減らす専用コマンドで、.claude/settings.json の permissions.allow を編集します。スコープが狭い。
対して /checkup は、権限まわりも含めた環境全体のメンテナンス。permission の話は /checkup の中の1項目にすぎません。
迷ったら /checkup を先に走らせて、それでも権限周りだけ細かく詰めたいときに /fewer-permission-prompts を後追いで使う流れがおすすめです。
運用で踏んだ落とし穴3つ
うっかりハマったポイントを共有します。
1つめは、チーム共有の .claude/ を勝手に書き換えないこと。プロジェクト配下の .claude/commands/ や .claude/skills/ は Git 管理されている場合が多いです。個人の判断で消すと他メンバーに影響が出ます。私は最初、リポジトリ配下で /checkup を走らせて、チームの skill を1つ消しかけました(コミット前に気づいて事なきを得ました)。個人用の設定は ~/.claude/ 配下、チーム用は .claude/ 配下、と頭の中で分けて実行することです。
2つめは、Auto Mode の自動有効化。/checkup は Auto Mode をデフォルトで有効にする提案を出してきます。Auto Mode は Sonnet 4.6 の classifier が permission を自動判定する仕組みで、便利ですが、破壊的な操作までノーチェックで通したくないなら deny rules を先に整えてから承認してください。
3つめは、CLAUDE.md の分割で参照リンクが切れるケース。ルート CLAUDE.md にあった内容を skill 化したとき、他の skill や command 内で「CLAUDE.md の第◯章参照」みたいな相対参照を書いていると壊れます。分割後は必ず /init で読み直させて、Claude 側の参照が生きているか確認するといいですよ。
週次でやると効く2つのルーティン
私は最近、金曜の終業前に /checkup を走らせる運用に落ち着きつつあります。理由は、週の終わりのほうが「今週使わなかった Skills」の判定精度が上がるからです。
もう一つのルーティンは、/cost と /context を組み合わせて数字を見ておくこと。/checkup の効果は「なんとなく速くなった」で終わらせず、キャッシュヒット率やコンテキスト消費が変わったかを数字で押さえておくと、次にどこを削るべきかが見えてきます。
これは家計簿みたいなもので、記録がないと改善方向が決まりません。
まとめ:今日からやる3つのアクション
長くなったので、あなたが今日試すことを3つに絞ります。
claude --versionで本体を確認し、古ければ更新して/checkupが使える状態にする.claude/配下をgit statusで綺麗にしてから、まず個人用~/.claude/で/checkupを試す- 提案された変更のうち、CLAUDE.md 分割と未使用 Skills 削除だけ先に受け入れて、Auto Mode 自動有効化は一度断る
/checkup は派手な新機能ではありません。でも、Claude Code を長く使うほど効いてくる地味なやつです。溜まったホコリを掃除する感覚で、月に一度は走らせる価値があります。
参考リンク
- Explainx — Every Claude Code Slash Command (2026) — /checkup の初出情報と挙動概要
- Claude Code Docs — Slash Commands in the SDK — スラッシュコマンドと Skills の統合仕様
- Claude Directory — Claude Code Slash Commands Guide — カスタムコマンドの配置とスコープの整理
- claude-howto (GitHub) — v2.1.101 での commands→skills 統合の実装詳細